10/31/2008

備忘だけ

【今日の勉強】
○システム監査技術者
午前共通問題
Total 1.25H

10/30/2008

【本】 会計操作—その実態と識別法、株価への影響 須田一幸ほか

会計操作というのは、GAAP(一般に公正妥当と認められた会計の基準)の範囲内で行われる攻撃的な利益調整。つまり、GAAPを逸脱した”不正”な会計処理で利益を調整する粉飾決算ではなく、あくまで”正しい”会計処理で財務諸表の利益を経営者の意図通りに調整すること。その会計操作は、経営者の裁量が可能な会計処理を利用して行われます。


本書は、そうした会計操作を公表された財務情報から統計的手法で抽出して、会計操作の実態を浮き彫りにした実証研究です。純粋な学術論文なのでかなり読みにくいのですが、その手法はとても厳密かつ大規模なもので、そうして導出された研究結果はかなり興味深いです。これだけの密度の濃い研究は日本では他にないかもしれません。

とくに最後の方で論じられる会計操作と株式市場についての調査がとてもおもしろい。会計操作が行われた企業と行われていない企業とで、決算発表後の株価の推移にはとくに有意な差は見られなかったということで、市場は会計操作を見抜いて株価に織り込んでしまうようです。つまり、会計操作をしたところで、株価の向上には寄与しないということが実証的に示されたということ。

しかし、その一方で、会計操作の過程では機関投資家がその会社への投資から撤退し、個人株主の割合が増大するという傾向がある。企業価値の毀損は、最終的に個人株主が負担する結果になるわけです。十分な情報をもった参加者が利益をすいとるという情報の格差が明確に存在することを、こういう形で明示されるととても興味深いものがあります。

こうした実証研究は、市場制度や会計基準のあり方を考えていく上でもとても重要な材料になるように思います。本書では会計操作の直接的な状況だけを研究するにとどまっていますが、こうした知識の蓄積がもっと進めば、市場制度や会計制度との関係といったところまで踏み込むことも可能かもしれません。そうなれば、現在の会計制度が会計操作をどれだけ抑止できているか、どれだけ効果的に市場参加者へ情報を提供できているか、現行制度の有効性を定量的に測定し、制度設計に活かせる可能性もあります。会計制度、市場制度の実証研究というのはかなり地味ですが、実はかなりおもしろい分野なのかもしれません。

10/29/2008

忙しさにかまけて

勉強も運動も読書もさぼりぎみ。
いちどリズムが狂うとなかなか補正がききませんね。

【今日の勉強】
○システム監査技術者
午前共通問題
Total 1.0H
昔の記憶がだんだんとよみがえってきた。やっぱり計算問題が苦手。

10/28/2008

ブックオフへ

置き場に困った本たちをブックオフに買い取りに出しました。
この機会に蔵書を一気に減らしてしまおうと考えたのだけど、やっぱり手放すに忍びなくて、結局買い取りに出したのは目標の半分以下の200点ちょっと。
本を捨てる、というのは難しいものです。

で、査定合計は約15,000円。だいたい定価の5%くらい。
思い出深い本が5%て微妙だけど、本を新しく10冊買えると思えば悪くない値段かも。



【今日の勉強】
○システム監査技術者
午前共通問題
Total 1.0H

【本】 資本主義は嫌いですか—それでもマネーは世界を動かす 竹森俊平

タイトルと装丁は大失敗の予感ですが、いまあるサブプライム関連の本のなかでは、おそらくもっとも充実した内容だと思います。こういうしっかりした本を待っていました。

本書のすばらしさは、なにより現在の金融危機を経済学の視点からしっかりと考察していること、それにつきると思います。類書や新聞・雑誌の特集などは、そのほとんどがただ金融危機の経緯を書いているだけか、根拠のない印象論で資本主義や金融業界を無邪気に批判しているか、といった所なのですが、これは違います。状況の構造、構造から見えてくる本質的な問題、そして市場や政府がなすべきこと、そういった問いを、経済理論のレベルで議論しています。

しかし、そうして高いレベルでの考察がなされても、決してお手軽な処方箋は提示されません。ここで提示されるのは、明確な答えではなく、状況を多面的に捉える視点です。たとえば、第2章では、経済学会議での議論が紹介されますが、それぞれの経済学者の主張がまんべんなく提示されるだけで、なにか一つの答えらしきものが与えられるわけではありません。しかし、そうして経済についての多様な視点や解釈を複数提示してみせることで、目の前の現象を立体的に理解する機会が生まれます。安易に答えを出してしまうのではなく、まずは答えを考えるためのヒントや見方を考える、というところでしょうか。

日々刻々と変わる経済状況は新聞や雑誌で把握できますが、経済学的な視点で体系的な考察がなされた議論というのは実は非常に少ないと思います。今はみんながみんな一家言ある状況ですが、やはり状況把握どまりでどうしても表面的な議論に終始してしまいがちです。表面的な議論に流されないで、まともな議論のための土台をもつには、とても意味のある一冊だと思います。


10/25/2008

送別会

今日は先輩の送別会。
現場では本当に良くしていただきました。
次の職場でも活躍されることを期待してます。

【今日の勉強】
○システム監査技術者
午前共通問題
Total 1.0H

10/23/2008

日経が不審

時価会計に関する最近の日経の記事、なんだか不審ですね。
「日米欧、時価会計一部凍結へ 金融危機封じへ非常手段」 @10/17 朝刊一面

記事見るとわかるんですが、情報源は既報の組み合わせで、新たな取材してないんですよね。
なのに、なぜか急転直下で状況が進展したかのような記事になってる。
聞き伝えるところによると業界でも話題のようで、「ほとんど誤報か捏造に近い」という話のようです。
中川大臣や会計士協会、企業会計基準委員会からも「事実と違うよ」って声明出てるけど、当然記事にならないし。

そんな信憑性に疑問がある記事でも一面で載ってしまうと、それなりの影響力が出てしまうから怖いですね。
それとも、なにか意図があるのかも。与党筋、銀行筋あたりの意を含んでいるとか。
記事に惑わされないリテラシーを持ちたいものです。




【今日の勉強】
○システム監査技術者
午前共通問題 
Total 0.75H
あまりに出来ないので、受験するしないを含めて戦略を練り直さないと行けないかも。
まずは応用技術者からとっていくか…

10/22/2008

【本】 ばかもの 絲山秋子

底の方でもだえながら生きる男の姿が強烈でとにかく痛々しい。決してなにか大きな失敗で全てを失ったわけではないし、絶望的な状況に追い込まれたわけでもありません。せいぜいアル中になったくらいで、だめっぷりとしては中途半端な小粒です。最底辺にまで落ち込むこともできないし、かといって這い上がることもできない。このままじゃだめだと思いつつも、どこかで諦念もある。

主人公ほどではないにしても、中途半端な小粒ぷりって、自分自身にもあるものだと思います。どっちつかづのまま日々が過ぎていって、ときどき立ち止まって気づくけど、いつのまにかまた同じ状況に戻るような。そうした反復へ抗いたい欲求とそうできない諦めとを抱えて生きていくような。そんな自分自身の状況とリンクするような気がするからこそ、痛々しく感じる。主人公と年齢的に近いと言うのもあるかもしれない。

終盤、主人公はひとつの救いのようなものを感じると共に、別のひとつの衝撃もうけます。誰かを感じられる感覚と共に、何も感じられない感覚も受けます。そうしてやはり中途半端な状態のまま小説の幕は閉じますが、果たしてその先彼がどう感じてどう生きていくだろうと考えさせられるものがあります。たぶんきっと、やっぱりもだえながらもそれなりに生きていくんんだろうと思うのですが、そんな、不確実な感覚それ自体も、やはり生きることそのものなんだなあと考えたり。

それにしても、最近の絲山秋子の作品はどんどん先鋭化していっている気がします。人と人との微妙な距離や関係を描くというところは変わっていないものの、「沖で待つ」のようなのんびりした感じはなくなり、はりつめた緊張感と痛々しさが強まっているように思う。かつてと今とでどっちがいいかは難しいところのですが…


事例4の不思議

解答速報見ません、と宣言したのに見てしまった。
出来不出来は置いておくとして…


事例4第3問設問2の模範解答が不思議。
各社とも全期間通じて課税所得が生じてることを前提に計算してますね。

でも、もともと課税所得のないことがわかってる平成20年度に節税効果なんてあるのかな(加算項目もなさそうだし)。
節税効果が現れるのは翌年度からのように思うんだけど。
確かに、理論的に享受できる節税効果の最大値は模範解答の通りですけど、与件に沿うならちょっと違うような……
”最大”って、与件から離れてもいいよ、って意味じゃないですよね。


あと、某講師の方が、第3問はMM理論がテーマ。と説明しているのを見かけましたが、それはさすがに間違いでしょう。


【今日の勉強】
○システム監査技術者 午前共通問題
Total 1.75H

10/21/2008

新たな課題

今日からシステム監査技術者の勉強を始めます。
中断しているUSCPAの勉強も再開予定。


しかし…


上司から、あれも読んでこれも読んでと大量の専門書を指定されてしまいました。
「最低限これくらいはすみからすみまで熟読してね」と示された”最低限”だけでも合計6800ページ。
すべて合わせれば15000ページ超。
確かに一度はしっかり腰を据えて取り組みたい分野なのですが、それにしても尋常じゃない。

シス監とUSCPAと大量の専門書、さてどうこなしていこう。



【今日の勉強】
○システム監査技術者
午前共通問題
Total 1.0H
基礎理論をすっかり忘れてる。これは前途多難かも…。

10/20/2008

姜尚中さん講演

姜尚中さんの講演を聞いてきました。内容的には、現代社会での生き方のヒントを夏目漱石とマックス・ウェーバーに見いだすというもの。ベストセラーになった「悩む力」と主張自体は同じですが、やはりご本人の言葉で語られるとまた印象がちがうものですね。

漱石やウェーバーから現在の金融危機、マルクス思想華やかりし60年代と、時代も場所も超えてざまざまな話題が登場しましたが、強引に要約してしまうと、資本主義の進展と大きな物語の消滅との結果として人の拠り所が失われた現状で、自ら意味を考え意味を作り出していく営みこそ唯一の拠り所となる可能性があっで、それを百年前に実践していた人物こそ、漱石とウェーバーである、ということになるかと思います。

つまり、かつては何らかの”大きな物語”があって、それを媒介として自分の生活と社会、経済といった世界とがつながっていられた。”大きな物語”というのはイデオロギーであったりある種の共通認識だったりで、それを拠り所にしていられた。

ところが、20世紀も後半にはいると、資本主義がどんどん拡大していく一方で、共通の認識もイデオロギーも力をうしなって”大きな物語”は縮小、世界と自分との断絶が訪れるようになる。そうして拠り所をうしなってしまった人は、神経症に陥るか、ウェーバーの言うところの精神なき専門家(だっけ?)になるかしかなくなってしまう。(この精神なき専門家というのは、過剰に信用を膨らまし続けた現代の金融業界をイメージしているようです)

そんな中で、もう一度拠り所を見つける作業こそ、”悩む”という行為。ただ世界の動きに「動員」されるわけでもなく、かといって批判のための批判を繰り広げるわけでもなく、泥にまみれて這いつくばって生きながら、自分で意味を考え意味を見つける営みを続ける。とても困難な行程だけど、それが現代に生きる人々の唯一の拠り所かもしれない。そうした思考作業から資本主義の未来も読み解けるかもしれない、というところなんでしょうか。

確かに、ウェーバーも漱石も、現代文明や資本主義が拡大発展していくことを認識する一方で、それが決して明るい未来でもないことを理解していた人物です。そうした中で常に現実を見つめて考えるという姿勢は現代においても非常に重要ですね。


ただ、拠り所としての”大きな物語”の存在というのは少し疑問の残るところでした。60年代から70年代にかけて”大きな物語”を忘れてしまったという趣旨の発言があったのですが、果たして60年代以前にそんな拠り所にできるようなものがあったのか、単に拠り所にできると思い込んでいただけなんじゃないか、という気がします。団塊の世代を見ると、確たる拠り所というよりはむしろ拠り所の幻想にすぎなかったのではないかと思います。
質疑応答のところで、”フィクションとしてのホーム=アイデンティティ”の可能性について指摘していたので、もしかしたら、拠り所は決して固有の存在としてある必要はなく、フィクションとしてでも成立するのかもしれません。

また、この”フィクションとしてのホーム”という概念と”悩む力”との関係に興味をもったのですが、このあたりは触れられずじまいでした。唯一のよりどころとして”悩む力”の可能性を語っていたのに、最後になって”フィクションとしてのホーム”という概念が出てきてしまった。”悩む力”とは別の方向しての拠り所として成立しうるものなのか、それとも拠り所とはまた違った概念での話なのか、興味はつきません。


とまあ、納得するところあり疑問あり、学んだり考えさせられたりとたいへん刺激的な2時間でした。また機会があれば他の人の講演にも積極的に行ってみたいものです。



【10月中旬のまとめ 10/11〜10/20】
勉強
○中小企業診断士 Total 15.75H


悩む力 姜尚中
サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 春山昇華
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践 勝間和代
監査難民 種村大基
ITデューデリジェンスの実務―M&Aを成功に導く フューチャーシステムコンサルティング
ウィトゲンシュタイン入門 永井均




映画
ブレードランナー ファイナル・カット
……むかーし子供の頃に観たきりだったので実質的には初めて(ラストにナレーションが入っていた記憶があるので、劇場公開版か完全版だったと思う)。たしかにこれはすごい。緻密な世界観と意味深な演出。ブルーレイで観てよかった。
犬神家の一族
……演出、とくにカット割りかっこよすぎ。市川崑の面目躍如ってところでしょうか。若手の監督もこれくらいぶっとんだ演出してくれないかなあ。
2046 
……ラブストーリーとして完成度高いしおもしろい。でも王家衛らしさって意味ではちょっと端正すぎかも。

展覧会
国立西洋美術館「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」
上野の森美術館「Art of out time」
東京国立博物館「大琳派展−継承と変奏−」
夕学五十講「姜尚中 漱石に学ぶ“悩む"力」

10/19/2008

【本】ウィトゲンシュタイン入門 永井均

入門といいながら易しい内容ではありません。前提知識のいらないように書かれているようですが、実際のところは哲学上の語句や論理学上の知識が求められているように思います。

さらに、ウィトゲンシュタインが言うところの”語り得ぬもの”という問題について、かなり踏み込んだところまで解説しているので、かなり入念に読んで考えないとその意味することろが想像しにくいです。前述の知識の問題と相まって、読んでいてなかなかイメージのわかない印象があります。もしかしたら、著者が言うように、”語り得ぬもの”についての問題意識を共有できない人にしかそもそも理解の難しい問題なのかも知れません。

そんなわけで、哲学的な素地も問題意識の共有もできていない私にはちょっと厳しい内容でした。ただ、ウィトゲンシュタインの問題意識を共有することができるなら、これは単にウィトゲンシュタインの思想の紹介にとどまらないで、自ら本当に哲学するための入門書となりうる内容なんじゃないかなあと思います。常に自らの中の問いに向き合い問い続けていくという姿勢自体が哲学であって、応えを見つけることが哲学ではないという著者の主張には大変考えさせられるものがあります。


2次試験終了

2次試験おつかれさまでした。

どの事例もさすがによく練ってあって解きごたえがありました。
とくに事例4はとてもいい問題だったと思います(解けたかどうかは別として…)
これで落ちても文句は言えないなあ。

2次試験も終わったので、発表までは診断士の勉強はしばらくお休みです。

さて、来週からは新しい勉強を始めたいと思います。

10/18/2008

あとはぐっすり眠るだけ

いよいよ明日が本番です。
不安と緊張と、少しだけ楽しみな気分もあります。

いろんな人に支えられながらここまで来ました。
振り返ってみればやり残したことは多いけど、そのときそのときの最善を尽くしたつもりです。
明日もいつもどおり最善を尽くしたいと思います。


もうあとできることはしっかり眠って疲れを癒すことだけですね。
それでは、おやすみなさい。



【今日の勉強】
○中小企業診断士
TAC実力完成演習 4 2回目
試験の合間に見るメモづくり
Total 4.0H

10/17/2008

最後の1日

いよいよ、まともに勉強できるのは明日一日だけですね。
悔いも疲れも残さない勉強をしたいものです。



【今日の勉強】
○中小企業診断士
大原模試 事例3と事例4 2回目
Total 2.5H

1度目は気付かなかったけど、事例3は日本語が変。
言いたいことはわかるので解答に影響はないのですが。
試験委員が文章上手とも限らないしね。
でも、日本語の拙い診断士さんが来たら企業の社長さんとしてはちょっと不安かなあ…

【本】ITデューデリジェンスの実務―M&Aを成功に導く フューチャーシステムコンサルティング

同じシリーズのビジネスDD財務DDの本が読みやすく参考になったのでこれも。

M&Aにおいて、ITシステムをどう評価していくかを、時系列順に解説しています。図表や事例が豊富なので、ITシステムに不慣れな人にも比較的イメージしやすくできており、他のシリーズ同様とてもわかりやすい。

他のシリーズとくらべると、M&A後を見越した内容が大変多いようです。ビジネスDDにしろ財務DDにしろ、M&A後を考慮しないDDはあり得ませんが、とはいえ現時点でどんな状況にあるかが中心的作業となると思います。ビジネス自体は多少の無理をして現場の人に対応してもらうことができますし、財務はなおさら現在の財務状況を把握して価格算定につなげるのが目的です。それに対してITDDでは現状把握もさることながら、M&A後にシステムをどうしていくかという観点が比較的強い。システムは人のように柔軟に対応させることは難しいですし、M&A後も使い続けることになるかもしれない。だからM&A後も強く意識したDDが求められるといいうわけですね。確かに、納得。

そうしたM&A後を見据えた評価となると、買収側企業のIT戦略を理解し、それとマッチするようなような評価を実施する必要があるわけですが、それはM&Aの際だけでなく、いろいろな場面で共通かもしれません。現状システムの有効性効率性を評価するような場合、従来システムを刷新するような場合、あらゆるシーンでここに書かれている内容が役に立つんじゃないかと思います。

10/16/2008

あと2日

直前だからと変わったことするより、いつも通りに演習こなすのが私には合ってるように思います。
演習からの気付きもまだまだあるし。
残り2日、がんばります。




【今日の勉強】
○中小企業診断士
TAC模試 事例4
過去問 平成18年 事例3
Total 2.5H

10/15/2008

【本】監査難民 種村大基

おもしろい。読み出したらとまらなくて一気に読んでしまいました。

中央青山監査法人がカネボウ事件、日興コーディアル事件を経て解散に至るまでを追ったノンフィクションですが、その内幕の描写がまるで小説みたい。法人内での利害の対立、金融庁の意図、PwCの思惑、マスコミの報道、他の監査法人の対応などがそれぞれ複雑に絡み合って、業務停止から解散へという最悪の状況になだれ込んでいくさまが手にとるようにわかります。当事者の中央青山も、処分を下した金融庁も、まさか監査制度黎明期からの名門が消滅するとは思ってもみなかったことでしょう。というより、誰一人こういう結果を予想してなかったし望んでもいなかったんじゃないかなあ。それぞれがそれぞれの思惑で行動した結果がこれだったと。

それにしても、よくここまで詳細に調べ上げたものです。07年7月の解散からわずか2ヶ月で出版されていますが、本当に詳しく描かれています。その詳細な描きこみが、ただ事実を追っただけでない生々しさを与えています。タイトルと内容がずれてたり著者の会計知識がちょっと怪しかったりといったところはありますが、それを差し引いても内容の詳しさとおもしろさどちらもとてもレベルの高い本でした。

おなじまちがい

前にやったときと同じところで同じ間違いをしてました。
進歩がない、とは考えないで、気をつけるべきところを見つけた、と思うことにします。
直前でも(直前だから?)学ぶことは多いです。

【今日の勉強】
○中小企業診断士
過去問 平成18年 事例4
Total 1.25H

10/14/2008

【本】 勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践  勝間和代

勉強法や資産運用法といった具体的なものではなく、ビジネス全般で身につけておきたい思考ツールを”フレームワーク”という形でまとめています。これ一冊でそうしたフレームワークが身に付くというよりは、フレームワークを体系化して入り口を示してくれる、そういう感じ。ひとつひとつの説明は詳しい本が出てますが、こういう形で体系化されたものはあまりなかったかもしれません。

ただ、そうしたフレームワークを提示しておきながら、その根幹となる勝間さん自身のパースペクティブは見えてきません。

フレームワークはある特定の方法で世界を捉え分析するツールですから、その裏側では世界をどうとらえるのか、どうとらえたいのか、という行為主体の意思や希望に必然的に依存しているはずです。その基本的なスタンスこそ個人個人それぞれが依って立つパースペクティブで、特定のフレームワークを使用するということは、”わたしはこれこれこういうパースペクティブで世界を捉えます”、と宣言することにほかならない。

でも、そうした根幹部分については、本書では語られません。本書だけでなく過去の著作を思い返してみても、勝間さん自身がどう世界を捉えてるのか、捉えたいのかがどうもはっきりしない。個々のテクニックの披露や主張はあるにしても、それが勝間さん自身の世界を表現するところまではきていない。だから、勝間さんが優秀で、実践しているテクニックが参考になるにしても、そこから先がない。なんかすごい人、どまり。すごい人どまりでも十分ではあるんですが、だとしてもそれはそれでもったいない。

著作の順番を見ると、はじめは具体的な話題から初めていき、すこしづつ抽象度の高いテーマへとゆっくり移行しているようなので、そのうちそんなテーマも書いてくれるんじゃないかと期待はしています。やはり勝間和代という一人の人間が、どんなパースペクティブでもって世界と向き合っているか、ということをぜひとも語ってほしいと思います。

あと4日

試験当日がどんどん近づいてきます。
なかなか勉強時間が取れないけど、それは他の受験生も同じこと。
あと4日でもやれることはたくさんあるはず。
できることをしっかりやって本番に望みたいところです。

【今日の勉強】
○中小企業診断士
過去問平成18年事例1
Total 1.5H

10/13/2008

上野ふたたび

二日連続で上野へ。今日は東京国立博物館「大琳派展−継承と変奏−」。

光悦、宗達、光琳、乾山、抱一、其一と琳派の大家たちの作品が240点、国宝、重文だけでも40点という、”大”と名乗るだけのことはある大規模の展覧会です(会期中かなりの入れ替えがあるので実際には百数十点でしょうか。それでもけっこうな数です)。

数が多すぎて、もう、頭くらくら。明らかに人が一度に処理できる情報量を超えてます。ゆっくり見るのにちょうどいい作品数というのがあると思うのですが、「対決 巨匠たちの日本美術」といい、最近の東京国立博物館は質・量ともに過剰すぎる気がします。

とはいえ、これだけの作品を見られる機会はほとんどないので、時間をかけてじっくり見て回りました。


光琳、乾山兄弟の作品がすばらしかった。すばらしいといっても、二人の作風は意外と正反対な印象がします。光琳は不安になるくらいにぽっかりと空白部分があったりそうかと思えば特定の範囲にこまごまとものを配置しながら決して崩れないバランス感覚があって、乾山は要素の一つ一つを丁寧に配置して全体を調和させるような安定感でどこか近現代の美術作品を思わせるような洗練された風情があります。

この違いは、やはり二人の世界の捉え方の違いに起因するような気がします。光琳は全体を全体としてぱしっと把握して、それを画面に定着させる。当然、その過程で配置や構成を計算し尽くしますが、それはあくまで捉えた世界の微調整という感じ。それに対して乾山は、対象を一つ一つの要素に分解して、それらを画面のうえで再構成して世界をつくりあげる。配置や構成の計算自体が世界を捉えるうえでの重要な要素になる、という感じ。あくまで素人の感想ですが、そうした違いが見て取れるように思います。

こういう、物事の根本的な捉え方というのは、創作活動に限らず、あらゆる面で大きな影響を及ぼすものですね。ものの見方というのは自分では意識しない部分でしょうが、光琳や乾山の作品のように、自分の言動を振り返ることで無意識のスタンスが浮かび上がってくることもあるかも。



それにしても、満腹すぎて知恵熱出そう。



【今日の勉強】
○中小企業診断士
過去問 平成19年 事例4
Total 1.5H

【本】サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 春山昇華

出版年が07年12月と古いので、最近の状況を把握するには向きません。その一方で、いまにくらべれば状況はいくらか単純だった当時に欠かれたものなので、発端のサブプライム問題それ自体を理解するにはちょうどいいと思います。特に、サブプライム・ローンの隆盛が、アメリカ独特の風土や分化と密接に結びついているという説明は、日本にいてはなかなか実感できないことで、非常に参考になります。

筆者は、そうし風土に根ざしたサブプライム・ローンが、証券化などにによってモラル・ハザード(経済学的な意味でも、俗流解釈的な意味でも)を引き起こして肥大化したことが問題の原因としてみているようです。このあたりの経緯を、07年末までの数年間の経過と友に説明していて、大変わかりやすく説得力もあります。

ただ、証券化から先の金融技術に関するシステム的な問題点についてはあまり触れられていません。サブプライム・ローンが肥大化したとこうだけではここまでの複合的かつ連鎖的な問題を説明することができません。高度に複雑化した金融技術を市場が制御できなくなったことも問題の多くの面を担っているはずで、そうした視点が弱いことは少し残念です。そうした点まで考慮されていれば、当時の状況を語るだけでなく、現状につながる考察ができたのではないかと思います。

とはいえ、現在進行形で複合的な問題が生じている以上は特定のタイミングで内容がフィックスされてしまう書籍一冊で対応することは困難ですし、07年当時でここまで簡潔に問題を解説できた本は他にはあまりありませんでしたから、タイムリーな著作として大変意義があります。同じ著者による続編も出ているようなので、そちらではまたアップデートされた分析がされているかもしれません。

10/12/2008

ひさびさ美術館

勉強以外の体勢立て直しもようやく進んできました。
さぼっていたジョギングや読書も再開。
まだまだ課題含みだけど、形だけでもいつもの生活リズムが戻ってきた。


そんなわけで、ひさびさに上野へ。美術館いくのは実にひと月ぶりです。
今日は、国立西洋美術館「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」と上野の森美術館「Art of our time」。


ハンマースホイは100年ほど前のデンマークの画家。一見すると普通の落ち着いた室内画なのに、どこかしら均整を欠くような不穏さがあって、何かがひっかかる。女性は後ろを向いて、表情は伺い知れない。深読みすれば何かを暗示しているようで、でも実は別に何も暗示していないかもしれない。そういうはっきりしない感覚がとても印象的でおもしろい。



「Art of our time」は高松宮殿下記念世界文化賞20周年記念として、歴代受賞者の作品を展示したもの(絵画と彫刻の部門のみ)。入り口には草間彌生がお出迎え、中に入ればいきなりバルテュス、ホックニー、クーニング……と超有名どころがずらりと展示してあって壮観です。ただ、受賞作家の作品を羅列しただけなので、脈絡がなくてちょっと困った。



美術館てやっぱり楽しい。あしたもなにか行こうかな。




【今日の勉強】
○中小企業診断士
過去問 平成19年度 事例3
Total 1.5H

【10月上旬のまとめ 10/1〜10/10】
勉強
○中小企業診断士 Total 0.5H


予告された殺人の記録 ガルシア・マルケス

10/11/2008

リハビリ

勉強から遠ざかってたせいですっかりなまってしまいました。
たとえほんの少しでも、毎日の継続が記憶の維持には必要なんだと再認識。
のこり1週間は勘をとりもどすのに専念したいと思います。


【今日の勉強】
○中小企業診断士
過去問 平成19年度 事例1 事例2
Total 2.5H

9月まとめ

勉強
○中小企業診断士 Total 33.75H


報告書の書き方 (日経文庫) …2点
ロジスティクス入門 (日経文庫) …3点
トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして …4点
ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press) …3点
美女と竹林 …4点
レバレッジ人脈術 …3点
ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く! …4点
一般システム思考入門 …4点
フェルマーの最終定理 (新潮文庫) …5点
戦略サファリ―戦略マネジメント・ガイドブック (Best solution) …5点
仕事は5年でやめなさい。…3点
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 …3点
ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書 683) …3点
シュンペーター―孤高の経済学者 (岩波新書) …3点
女性の品格 (PHP新書) …3点

コミック
機動旅団八福神 8巻 (BEAM COMIX) …3点
かぶく者 1  …3点


映画
自虐の詩 …5点
河童のクゥと夏休み …4点
バットマン ビギンズ …3点
ヴァイブレータ …3点


展覧会
・ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展 国立新美術館 …3点
・アヴァンギャルド・チャイナー<中国当代美術>ー二十年 国立新美術館 …4点
・アジアデジタルアート大賞[東京展] 東京ミッドタウン デザインハブ …1点

10/10/2008

【本】 悩む力 姜尚中

悩む力 (集英社新書 444C) アマゾンにて購入。

夕学五十講の姜尚中さんの講演に行くので、予習として読んでみました。

合理主義が極端なまでに推し進められた現代社会での自我、疎外感、閉塞感といった問題の源流をマックス・ウェーバーと夏目漱石に見出しながら、そうした社会でどのように生きていくべきなのかを論じています。

個人的な問題から社会的な問題までかなり幅広く話題を取り上げているのですが、社会的な問題になるほど散漫になり説得力に欠けてしまっています。そもそも現代社会を非常にステレオタイプなイメージで捉えているうえに、個人と社会とのつながりを「相互承認」の観点からしか認識していないから、どうしても薄い議論になってしまっているのです。もう少し多面的な捉え方ができていれば、またちがったのかもしれません。

その一方で、個人的な問題についてはとても考えさせられる内容でした。とくに第一章の自我に関する議論などは、少しナイーブすぎるきらいはあるも罵る、自我とは、自分という問いを実感を伴った形で論じていて多くのヒントがあるように感じました。やはり徹底的に考えた内容は説得力が違うのでしょう。

10/09/2008

勉強再開

ようやく今日から勉強再開です。

この2週間は本当に怒濤の展開で、時間的にも体力的にも勉強にまわす余裕がありませんでした。
毎日2、3時間の睡眠で、起きてる時間はほとんどフル回転状態。

さすがにきつい日々でしたが、自分なりにがっつり取り組むことができました。
いままでにないくらいめいっぱい考えたし、いろいろ学んだし。
さらに、地道にやっていれば見ていてくれてる人が必ずいるんだなあとも実感したり。
この時期に勉強から遠ざかったのはいたいところですが、それ以上の経験を得た気がします。


のこり10日間、気合い入れていきます。



【今日の勉強】
○中小企業診断士
財務・会計問題集
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10/03/2008

【本】予告された殺人の記録 ガルシア=マルケス

予告された殺人の記録アマゾンで購入。

十分に予告され誰も知っていたにもかかわらず実行された殺人事件をめぐる物語。殺人事件を軸に、関係する人々が入れ替わり立ち替わり登場しそれぞれの視点から語るのですが、そこで描かれているのはそうした一人一人ではなく、一つの閉鎖された世界としての共同体です。さまざまな逸脱や問題をはらみながらもそれを覆い隠して安定し停滞した状態を保ってきた共同体がむかえたあるハレの時がえがかれます。


そのハレを起点として共同体が保持してきたそれまでの均衡が崩れていくさまはたいへんな不気味さがあります。特に、一気に悲劇へとなだれ込んでいく最後は、不気味さも頂点に達するのですが、それと同時に一種のカタルシスまで感じてしまいます。朝日がさんさんとそそぎ人々の叫び声が響くなかで実行される全員参加型の殺人劇、まさにハレの絶頂です。

百年の孤独」ほどの大作感や幻想感はありませんが、たった140ページの中でこれだけの濃度の高い内容を描き出すのはやはりガルシア・マルケスの傑作の一つと呼ばれるだけはあります。お腹いっぱいな作品でした.