11/30/2008

ピカソのエネルギー

六本木のサントリー美術館、国立新美術館のピカソ展へ。サントリー美術館はほとんどすべて肖像画、もう一方の国立新美術館も割と一般的なサイズのものが多くて大作はあまりありませんですた。そのため、2館同時開催という大規模な特別展ではあるけれど、はしごしても思ったほど疲れなくて、間にお茶の時間を挟めばちょうどよい感じ。とはいえ、作品数としてはかなりあったし、有名どころも多かったので、見ごたえは十分です。


ピカソの作品を見るたびに思うのは、質・量ともに超人的だったのだなあということ。あれだけ作風をころころと変えていながら度のスタイルでも恐ろしく高い完成度をほこっていて、さらに物量的にも規格外の数の作品を残している。

女性関係も相当派手だったわけだし、どこからそれだけのエネルギーがわいてくるのか本当に不思議です。エネルギーの使い方が半端じゃなくうまくて超高効率だったのか、それともそもそも投入されるエネルギー量自体が違うのか。


成果物=生産性×投入物となるわけだけど、とても生産性の高さだけでは説明できないように思う。やっぱり投入可能な資源=創作エネルギーの絶対量が圧倒的だったんでしょう。でなければ、あれだけの作品群は生み出せないでしょう。


自分自身にどれだけのエネルギーがあるかは定かではないですが、とにかく生産性の向上につとめ、そしてときどきこういう超人たちからエネルギーのおすそ分けをもらいつつ、すこしでもいいもの多くのものを生み出したいものです。

【本】時が滲む朝 楊逸

中国民主化に身を投じて挫折した青年たちのその後を描いた作品。初めて日本語を母語としない作家による芥川賞受賞作だそうですが、確かに日本語に違和感があります。なんとなく、外国語から日本語に直訳したかのようなぎこちなさが感じられて、それが読んでいるあいだ中慣れることなく続いてしまいます。ハリー・ポッターシリーズは翻訳がひどいことで有名ですが、あれを多少マイルドにしたようなこなれてない雰囲気があります。

さらに、人物の描き方も非常に類型的で、それぞれのキャラクターがたっていない。人物造形のテンプレートのようなものがあって、そこからカスタマイズせずにそのまま流用しました、とでもいうかのよう。日本語の不自然さとあいまって、全体的にカクカクと生気のない人物描写になってしまっているのも残念。本来ならばもっと重要な役を担えるはずの人物がほとんど活きないまま放置されてしまっているなど、構成的にも未完成なものがあります。

ただ、仕事にも家族にも友人にも恵まれてそれなりの成功をしていながら、それでもかつての理想を捨てきれず、さらに挫折の記憶も整理しきれず抱えながら生きる主人公の姿は、たぶん読み手の気持ちとリンクするものがあるように思います。中国の民主化という大仰なものでないにしても、だれもがかつての夢や理想を心の中で風化しきれずにしまい込んだり、過去の失敗を完全に乗り越えられないままになっていたり、ということはあるんじゃないか。そうした感覚がふっとよみがえってきて、すこし切ない気持ちになったり。そういう感覚を思い出すというのは決して悪くないことかもしれない。

11/28/2008

締め切り

USCPAの勉強仲間が、2月に受験することに決めたとのこと。
締め切り決めないとエンジンかからないからって。

たしかにそうだなあ。
力がついたら受験しよう、よりも、××に受験するからそれまでに力つけよう。の方が本気度が違う。
まねして締め切りつくってみようかしら。

【今日の勉強】
○USCPA
Auditのテキスト読み込み
Total 1.0H

11/27/2008

今日の勉強

USCPAのAuditテキストをちょろちょろ読む。
Auditに関しては、理論的な部分は日本とほぼ一緒みたい。
単語を覚えるのと、法制度的な違いの把握で大丈夫かな。

会計基準については国際会計基準で統一という動きになってるけど、監査基準も似たような感じになるのでしょうか。
それとも監査については各国ばらばらのままいくのかな。
内部統制監査制度も国によって対応が全然違うし。

財務諸表作成の基礎になる会計基準が同じでも、その信頼性を担保する水準が異なってたら本末転倒のような…

【今日の勉強】
○USCPA
Auditのテキスト読み込み。
Total 0.75H

11/26/2008

【本】 ゼミナール ゲーム理論入門 渡辺隆裕

ここ何十年かの経済学は、ゲーム理論と情報の経済学が牽引して発展してきたと言っても過言ではなく、均衡理論にとってかわったような状況ですね。経済学の一分野どころか、経済学の共通言語になったといってもいいかもしれない。ところが、学部レベルや資格試験でのミクロ経済学のテキストでは、ゲーム理論はテキストの後半に1、2章ちょろっと触れられているだけのものが多くて、ゲーム理論の基礎を理解するにはなかなか難しい。でも、最新の経済学の成果をキャッチアップするにはしっかりとゲーム理論を押さえておかないと、そう思って復習してみました。


いままでに読んだゲーム理論のテキストの中で最もわかりやすい。

例示が豊富でイメージがわきやすく、さらに取るに足らないけれど初学者からしたら疑問に思いそうな事項を省略することなくきっちり説明しています。そうした説明が多い分、500ページを超える分量になっていますが、これだけしっかりとした説明があるおかげで、初学者でも十分読み進められると思います。

もちろん、れっきとした大学初級レベルのテキストですから通勤・通学の電車の中で読み通せるというほどに平易なわけではありません。数式も後半になるにつれて増えてきます。それでも、じっくりとゲーム理論を学ぶために必要充分な知識を、最大限の平易さで記述しているところはすばらしい。ゲーム理論的な思考方法の紹介本やゲーム理論の啓蒙書ではなく、れっきとしたゲーム理論のテキストがここまでわかりやすいというのはなかなかありません。


怒られる

上司に指示されたシステム入力処理を粛々とこなしていると、担当者から怒りの連絡が。
「エラーが出てる。こんなエラー見たことないんだけど、何したの」
さらに上司へも怒りのメール。
「××さんに変なこと指示しないでください。わたしの作ったマニュアル通りにやれば問題なんかおきないのに。ちゃんと操作方法を教えてください」

慌てて専門窓口に問い合わせたところ、マニュアル通りに操作すると特定の状況で不可避的に発生してしまう現象だと判明。要するにシステム側の問題で担当者の指示不足だったというわけなんですが、そのことを何度説明してもわかってくれない。あなたが勝手な処理をしたからエラーになった、の一点張り。

マニュアル通りに作業した結果マニュアル作成者本人に怒られるというのはどうにも納得いきませんね。こういうことって、何の成果もない割にエネルギーばかり消費してしまいます。



【今日の勉強】
○USCPA
Auditのテキスト読み込み
Total 1.0H
久しぶりのテキスト読み込み。問題集ばかりだったので新鮮な気分。Accountingのようにいちいち計算しなくていいし。

11/20/2008

【本】市場を創る―バザールからネット取引まで ジョン・マクミラン

よる規制や支援によっていくらでも変化する性質のものでもある。だから、制度設計次第で市場参加者の行動は変わるし、その結果実現する効用の程度も変化する。じゃあ、市場がもっとも効率的に駆動するための制度はどんなものなのか、どんな条件をそろえたら市場の効用が高まるのかを追求するのがメカニズム・デザイン論。現実にも、周波数オークションや学校選択制度などに応用されています。

メカニズム・デザイン論自体は、情報の経済学やゲーム理論などの応用ミクロの分野を行動に応用した理論なので極めてテクニカルで抽象的なものなのですが、本書では数式は一切出てきませんし、イメージしやすい例題をもとにやさしく解説しているので経済学の素地のない人にも楽しめます。とはいえ、メカニズム・デザインの大御所の著書なので内容はとても充実。

効率的な市場を実現する要素はいろいろあるのですが、やはり情報の流通が重要な概念になるのだと思います。あらゆる業界が専門化、細分化されればされるほど、特定の情報は特定の参加者に偏在し、情報の非対称性は増幅される。そんな状況がプリンシパル-エージェント問題や逆選択が起こりやすくする、やがては市場取引自体を収縮させていく。

一方で、合理的な意思決定が行えるだけの情報が適切に流通されるのであれば、価格は適正な水準に調整され、より効率的な取引が実現される可能正が高い。もちろん、これだけでそのまま効率的な市場が実現されるわけではないけれど、情報の非対称性が効率的な取引を阻害しているよりは、望ましい状況が実現されることが考えられる。

制度設計と言えば大げさですが、たとえば人事制度をよりよい職務・待遇を求める従業員と有能な人材を求める各部門とが参加する市場と捉えれば、メカニズム・デザインを応用することが可能かもしれません。メカニズム・デザイン論自体まだ歴史が浅く、日本語で読める文献はごくわずかですが、これから新しい理論がどんどん生み出されて、どんどん現実に応用されていきそうな分野ですから、基本的な理論くらいはおさえておきたいところですね。

11/19/2008

出張延期

来週から出張のはずが、先方の都合で急遽キャンセル。リスケは未定。
こういうことって、状況の急変が原因のことは案外少なくて、単純に社内の調整や連携ができていないだけのことが多い。
だから、変更・延期が起きるのは毎回同じ会社だったりする。

情報伝達や意思決定が円滑に行き渡っていないわけだから、きっといろんな面でロスが生じてるんだろうなあ。
それでもまわってるんだからいいじゃないか、と捉えるか、なんとか改善しないといけない、と感じるか。
今年からのJ-SOXなんか、問題点を棚卸しして改善する良い機会のはずですが、そうポジティブに活用している会社はどれだけあるんでしょうね。

それにしても、せっかくおいしいお店探しておいたのに、ほんとに残念。



【今日の勉強】
○USCPA
問題集 Monetary Assets
Total 0.5H
問題集ばかりというのもちょっと飽きてきた。テキストの読み込みも平行しようかな。

11/18/2008

後悔先に立たず

経済学部卒です。
いまになって大学でしっかり勉強してなかったことを後悔してます。
仕事の役に立つとか、金融危機解に興味があるとかじゃなくて、経済学が単純におもしろい。
なのに、基礎知識があいまいだから、テクニカルな話題のたびにいちいち立ち止まらなくちゃいけない。
それが本当にもどかしい。
学生時代に今くらいの勉強意欲があったらなあ、と思います。


【今日の勉強】
○USCPA
FAR問題集
Property, Plant & Equipment
Monetary assets
Total 1.0H

11/17/2008

おじさまマナー

おじさんたちのマナーが大変気になる。
ファストフードでイヤホンもせずにワンセグ見るおじさん。
電車内で商談の電話をするおじさん。
満員電車で平気で新聞(ときにセクシャルなページ)を広げるおじさん。

一方、マナーの悪い人=若者と描かれることが多い。
ACのCMとか、東京メトロの広告とかそうですね。

でも、わたしの単純な印象では、若者よりもおじさんの方が相対的にマナーが悪い気がする。

わたしが若者をひいき目にみているのか。
若者とおじさんとでマナーの感覚が違うのか。
おじさまの絶対数が多いからか。
それとも、それら全部を割り引いたとしてもやっぱりおじさんのマナーが悪いのか。

人生の先輩だから敬う気持ちはありますけど、だからこそ先輩として恥ずかしくないマナーを持ってもらいたいものです。

【今日の勉強】
○USCPA
Property, Plant & Equipment
Total 1.0H
読む速度があがってきた気がする。英語に慣れてきたかな。

11/16/2008

【本】オブ・ザ・ベースボール 円城塔

表題作は文学界新人賞受賞作で芥川賞候補作。延々とごたくを並べている感じがおもしろい。全体的に、80年代から90年代はじめくらいまでの純文学にありそうな、延々と分析的な言及を続けるのですが、かつての純文学だったら眉間にしわを寄せてうだうだやってただけなのが、こちらには笑いがある、しれっとしたクールさがある。ちょうど同じ回に候補になって芥川賞を受賞した「アサッテの人」もそんな感じがあります。

とはいえ、デビュー作の「Self-Reference ENGINE」とはくらべるべくもないくらい軽い内容になってます。典型的な純文学の枠にきっちり納めたというか、お年寄りにもわかりやすく書いたというか。「Self-ReferenceENGINE」みたいに、え?え?ええ?という困惑はないのですが、そのぶんこれすげーっていう感動とか衝撃もなくて物足りない。やっぱり純文学という狭い枠ではちょっと足りないのかもしれない。

アメリカを描ききる


今日はBunkamuraザ・ミュージアムの「アンドリュー・ワイエス 創造への道程」へ。
雨のせいか午前中だったからか人が少ない。
おかげでゆったりと見て回ることが出来ました。


展示は、テンペラで描かれた完成作と、それに至るまでの水彩や鉛筆での習作とを一緒に見せるという形式。制作の途上にある習作と完成作とを対比させることで、完成に至るまでのプロセスが直接見えてきます。

ワイエスというと「クリスティーナの世界」くらいしか知らなくて、その構図や色調から、何か象徴的で寓意に満ちた作品を描く作家なのかなあと考えていました。でも、その作成プロセスを習作から見ていくなら、寓意や象徴なんてものは必要なくて、そこにクリスティーナがいて生きているということ、主題はあくまでクリスティーナ自身なのがよくわかります。(今回は習作だけで、完成作がなかったのは残念)。

また、習作段階では人物が描かれているのに、完成作に至ると人物がばっさり削られているものが意外と多い。でも、人物が取り除かれても、その画面には人が息づき生活している気配がある。一見、風景が主役のように見えても、風景自体はその背後に存在する人の世界であって、そこで生きる人が主人公になっているんですね。

そうして見ていくと、人が画面にあろうとなかろうと、描かれているのはどこまでも人なんだなあという印象を受けます。自身の老いや過酷な環境という所与の条件があるにしても、その中で生活し生き続ける人々は決して耐えることはない、ということへの力強い肯定感は「アメリカを描ききる」という展覧会のキャッチコピーそのもの、まさにアメリカの確かな一面なんだなあと感じます。

11/14/2008

Amazon1位

昨日感想を書いた水村美苗の「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」がAmazonランキングで1位になったそうです。
決して手軽な本ではないので、ちょっとびっくり。
梅田望夫さんのネットでの発言が発端で賛否入り乱れて話題になっているみたい。

どんな形であっても、この本が多くの人に読まれるのはいいことだと思います。
内容に賛否はあるだろうけど、間違いなく多くのことを考えさせられる。

ついでに前作「本格小説」に手を伸ばす人がいたら少しうれしいかも。
「本格小説」は五本の指に入るくらい好きな小説なので。


【今日の勉強】
○USCPA
問題集
Inventories
Property, Plant & Equipment
Total 1.0H

11/13/2008

【本】 日本語が亡びるとき—英語の世紀の中で 水村美苗

水村美苗の新作は、小説ではなくとても挑戦的なタイトルの評論。

一つの評論としてみたら、こんなにつぎはぎだらけでちぐはぐなものもないかもしれません。普遍語=英語の流通に関する話題は貨幣論の変形だし、近代日本文学に関する考察はあまりに文壇的・文芸誌的で新しさはほとんどない。漱石に文明論を引き合いに出した章は、あきらかに漱石と自分自身とを重ね合わせていて客観性を失ってしまっている。そして、そうした話題のひとつひとつが全く連携していなくて、ばらばらに孤立している。だから、評論として読んだなら、批判すべきところはそれこそ数限りなくあって、これを無批判に受け入れるのはとても危険なことだと思います。

でも、そうしてばらばらでちぐはぐな論も、著者自身を中心として考えるなら、すべてが驚くほどつながるのです。つまり、著者自身の言葉や日本語に対する危機感、言葉を扱うことを職業とした著者自身のあり方、そうしたものの答えをさぐる著者なりのプロセス。だから、ここで一つ一つの話題の正しさや全体としての整合性というような”理屈”の部分は実はそれほど重要ではなくて、著者が英語と日本語との間でこれほどまで危機感を抱いたという”実感”が大事なんだと思います。求められるのは理屈の”理解”ではなく、実感の”共感”じゃないだろうか。梅田望夫さん小飼弾さんのように英語を日常的に使う人たちがこの本に賛同してるのは、彼らがまさに著者に”共感”しているからなんでしょう。

だから、これは評論ではなくて、ひとつの”小説”なんだと思います。水村美苗という主人公が、日本語と英語の間で何を感じ何を探したのかを追う物語。そう捉えるなら、これはとても深く心に突き刺さる一つの文学作品です。前作「本格小説」から5年間をかけて書いたのがこの本だというのはほとんど必然のようにも思えます。

ファストフードでのひとこま。

どうしてコーヒー頼むわけ?
わたしがコーヒー頼んでるのに被るとか考えないの?
なんで紅茶とか違うのにしないのか理解できない。

と、怒る彼女とひたすら謝る彼氏。
世の中いろんな人がいるものです。



【今日の勉強】
○USCPA
問題集 Inventories
Total 0.9H

11/12/2008

100冊達成

Macの故障はバッテリーの不具合だったようで、無料で直してもらいました。よかった。

気がつけば本の感想が100冊超えました。
4月に最初の感想を書いてから7ヶ月。
サイードの「オリエンタリズム」に始まって、パレプの「企業分析入門」まで。

自分の言葉で書いてみると、わかったつもりでわかっていないのがよくわかる。
言葉に出すことで頭の中が整理される。
読むだけでは見えないことが書くことで見えてくる気がします。

本を読むのは遅いけど、まだまだ読みたい本はたくさんあります。
これからもちょこちょこ読んで、ちょこちょこ書いていきたいと思います。



【11月上旬のまとめ】

勉強
○USCPA 4.5H




エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集 長嶋有
デジタルのおもちゃ箱―MITメディアラボから見た日本 中村伊知哉
電化製品列伝 長嶋有


コミック
自虐の詩 (上) 業田良家 (下)
……「日本一泣ける四コマ漫画」という帯の文句は大げさじゃなくて本当。本当なんだけど、それはそれで何も語れてない。生きる意味とかなんとかじゃなく、生きていくということそれ自体を泣いて笑って怒って萎んでを繰り返して体で感じていく、それを追体験させてくれる。

MW (1) 手塚治虫 (2)
……おもしろかったけど、「奇子」や「人間昆虫記」のほうがいい。やっぱり手塚作品には悪女がいないと。


世界の終わりと夜明け前 浅野いにお
……新作が出るたびに必ず買う作家さんの一人ですが、むかしからどうにも違和感があった。この短編集を読んで違和感の理由に気付きました。人物のメンタリティが全部一緒だから、ものすごく世界がせまい。人物の言動をy、状況をxとするなら、みんなy=f(x)ていう同じ関数で動いてる。代入されるxが違うから結果yが違うだけで、根っこはみんな同じ。もっといろんな関数g(x)やh(x)があってもいいと思うし、だからこそ世界って面白いんじゃないかなあとも思う。

11/11/2008

寒い

最近本当に寒いですね。
ちょっと前に夏が終わったと思ってたのに。
秋はどこへ行ってしまったの?というきもちです。

【今日の勉強】
◯USCPA
問題集 Ratio analysis, Inventories & Shareholders' equity
Total 1.0H

11/10/2008

Mac故障

Macの電源が突然切れるという状態になってしまった。
ブログの更新もままなりません。
ネットのない生活は考えられないし本当に困った。
はやく修理に出して復旧しないと。

【今日の勉強】
◯USCPA
Monetary assets & Shareholders' equity 問題集
Total 1.0H

【本】 企業分析入門 第2版 クリシュナ・G. パレプほか

大部な本のわりに難解な数式も詳細な分析テクニックもあまり出てきません。そのかわり、企業分析のための基本的なフレームワークの提示に徹しています。

そのフレームワークは、企業分析を企業戦略分析→会計分析→財務分析→将来性分析という一連のプロセスとしてとらえるというもの。一般的な本であれば財務分析からいきなり始めるところ、企業の戦略との整合性についても意識することで戦略論と分析技術とを統合し、さらに会計上の諸問題にまで手厚くフォローしているのが特徴的です。企業戦略の観点は意識するしないにかかわらずわりと一般的に使われるかと思います、会計の制度的技術的な事情からくる問題についてはプロはまだしも素人レベルではなかなか目がいかない分野だと思います。それをこういう形でフレームワークに組み込むことで、会計分析も不可欠な要素であることが明確化されますね。

アメリカという国はこういうフレームワークに構築が本当に上手でいつも感心します。

入門とは書いてあるもののビジネススクールレベルの入門で決して手軽な本ではないですし、600ページと大部なのですが、ただの小手先のテクニックではない体系的な分析を学ぶための第一歩のはとてもいいと思います。

11/09/2008

【本】 日経業界地図 2008年版 日本経済新聞社

たまたまタダでもらったので読んでみました。2009年版が出ているので、情報はちょっと古い。

タイトルの通り、各業界の主要プレーヤーのポジションが見開きで一目でわかる図解式になっていて、ふむふむ、という感じ。ただ、ポジションは各社の市場シェアや資本関係、大雑把なグルーピングと言った程度の基準で整理されているくらいで、各社の戦略の違いを描き出すほどでもないです。スペースが限られているせいで説明文も通り一遍なことを書くに留まっている印象です。
とはいえ、新聞記事を読む時の大雑把な知識として頭の片隅に入れておくのは悪くないかとも思います。

そもそも2008年度版ということは、執筆は07年に行われたわけで、さらに使用している財務数値などはそれ以前の06年のものということになります。だから、タイムリーな情報という点でもちょっと鮮度に劣るところがあります。これだけネットが発達している現状では、もっと最新の業界の様子を知ることも可能ですから、そうなるとわざわざ紙媒体でこういうものを出すことの現在的な意義ってなんなのだろう、って考えたりもします。紙媒体で毎年出すからこその何か価値のある編集が必要なんじゃないかと思うところです。(一方でわずかな間にこれだけ状況が変わってるんだ、という歴史的な視点で読むとそれはそれでとても興味深く読めますが)。

11/08/2008

【本】 電化製品列伝 長嶋有

傑作家電について語るというようなmonoマガジン的なものではなくて、家電が効果的に登場する小説や漫画、映画について語るというちょっと変わった評論集です。

確かに、これだけ家電に囲まれていて日常的に家電を使っているのだから、家電が小説の中で登場してもおかしくないし、重要な小道具として物語の駆動力になったり人物の人となりを表したっていいはず。でもその一方で、実際に家電が効果的に登場することは実はあまりおおくなくて、あったとしてもそれはレコードやラジオと言ったすでに色がついて記号化されたものだったりする。そういう状況であえて家電に登場する場面に着目することで、文学表現の可能性が見えてくるし、同じ作家という職業とはいえ世代的な断絶も浮き彫りになる。そう考えると家電の表現一つにしても実はかなり奥深いものがあるなあと感じます。

でもまあ、そんな難しいこと考えるまでもなく、家電から惹起される時代感やなんかを感じるだけでも雰囲気があっていいし、そうしたことに対する長嶋有の偏愛ぶりもまた面白くて、気楽に楽しい本でした。

11/07/2008

秋深し

読書の秋、芸術の秋。

水村美苗が6年ぶりの新著
Bunkamuraでアンドリュー・ワイエス展。
ICCのダムタイプ「S/N」特別上映、見逃した(あーあ)。

読みたいもの、観たいものはたくさんあるのになかなか時間がとれない。
なんとか暇を見つけて秋を堪能したいものです。


【今日の勉強】
○USCPA
FAR問題集。Monetary Assets & Inventories
Total 1.0H

11/06/2008

うとうと

帰るなりベッドでうとうと。
ふとんのなかはあたたかくて気持ちいい。
冬が近づいてきたなあ、という感じです。


【今日の勉強】
○USCPA
Monetary Asset
Total 0.75H

11/05/2008

体制見直し

今後の勉強計画を見直しました。

システム監査技術者は様子見程度にして、USCPAを最優先課題にします。現在や将来の仕事への影響、他の保有資格とのシナジー、試験制度の状況、個人的な関心……なんかを考慮したら、やっぱりUSCPAがいいという結論に。英語の勉強にもなりますしね。もちろん、システム監査技術者も将来的には取りたい。

あわせて、502教室からのリンクも外していただくことにしました。診断士の話題でエントリーすることがほとんどなく、502教室の趣旨にちょっとそぐわないので。502教室のみなさんには本当にお世話になりました(来年またお世話になるかも)

最後に、ブログのタイトルも変更。これはまあ、ただなんとなく。run after two haresで二兎追うの意味だったけど、よくばって三兎追ってもいいかな、と。

【今日の勉強】
○USCPA Financial &Accounting Report Inventory
Total 1.0H
ひさびさの英語でかなり苦戦。しばらくはリハビリです。

11/04/2008

【本】 デジタルのおもちゃ箱—MITメディアラボから見た日本 中村伊知哉

どこからどう感想を書いたらいいのか困る。盛りだくさんなうえに、とにかくつぎつぎと人物やキーワードが登場して、題名の通りおもちゃ箱状態。ぐっちゃぐちゃになったおもちゃ箱に手を突っ込んで、おもしろそうなものを手当たり次第引っ張りだしているようなそんな感じです。

そしてその雑多な感じは”MITメディアラボ”それ自体の性質をよく表しています。ニコラス・ネグロポンテを筆頭に、アラン・ケイ、石井裕、ジョン前田、マービン・ミンスキー……と、研究者としてもアーティストとしても思想家としてもスーパースタークラスが入り乱れて研究を進める世界の最先端。名前の通り”メディア”についての学際的な研究を行うのですが、映像がきれいになる、とかネットワークが早くなる、とかそういう現状技術の延長で考えることができない領域。「審美的価値を追及する芸術作品でも、既存の問題を解決する多恵の技術デモでもない.私たちの研究の目的は、新しいコンセプトの創出にある」(石井裕)という言葉のように、メディアやデジタルテクノロジーを通して、いままでそもそも認識されてこなかった全く新しい世界観を開拓することが、その使命なわけです。

確かに振り返ってみると、これまでのITやデジタル技術というのは、進歩とはいってもあくまでそれまでの道具の延長線上にあったように思います。つまり、身体能力の拡張。車は人の脚力を拡張する装置であり、望遠鏡は人の視力を拡張する装置であり、というように。それはどこまでいっても物事が便利になった短い時間で住むようになったというレベルにすぎない。でもそうではなくて、人の認識能力の拡張やシフトをもたらすようなテクノロジーの可能性も十分あるように思います(あるいは、同じ身体能力の拡張でも、拡張の度合いがほとんど断絶に近いレベルにまで引き上げられるのであれば、それはそれで認識をシフトしうるかもしれないけど)。

だから、このおもちゃ箱には、人の持つ世界観、人と人との関係性、経済システム、社会制度設計、文化的文脈や文法といった、世界の認識のレベルにまで踏み込んだ、メディアの可能性、テクノロジーの可能性を追及するという”未来のおもちゃ”なんだろうな、と。たぶんほとんどのおもちゃがただ飽きられて捨てられていくのだろうけれど、そのうちのいくつかはきっと未来になにか大きな変化をもたらしてくれるんじゃないかと思うと、それはとても楽しみな未来だったりします。

11/03/2008

【本】 エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集 長嶋有

ひさびさに再読。タイトルがアレだけど、変な本ではないです。表題作は、実在する南の島エロマンガ島にエロマンガを読みにいくゲーム雑誌編集者の物語、とあらすじ書いたらやっぱりアレだけど、それでもやっぱり読んでみれば長嶋有さんらしく、人と人との微妙な距離感を描いた作品となっています。

日本から遠くはなれた南の島にたどり着いた主人公と、日本に残るその恋人の話が交互に展開されますが、二人はそれぞれお互いとの関係について考え直します。それなりに長いことつきあってきてそれなりにうまくやっていけている。それでも現状からの進展も交替もなく、かといって何か危機的な状況に陥っているわけではない。だからこそ、そういう状況がやが本当に危機的な状況になりうると二人ともわかっている。そんなときのエロマンガ島行き。物理的にも精神的にもお互い遠く離れていつもと違う状況の中で二人の関係を見つめ直す。見つめ直すといっても、見つめ直そう、と意志を持って見つめ直すのではなく、状況の中で起こった様々な出来事から、二人の関係のありかたをちょっとづつ見いだしていくというような。そういう微妙なところで感じ入る描写の積み重ねから浮かび上がる、人と人との間(時には人と物、物と物)の距離感が、なんともいえずすばらしい雰囲気です。

ところで、長嶋有さんは自作について”距離感”と表現されることを嫌っているようで、”距離”を書いているとしばしば表現されているけれど、読んだ感覚としてはやはり”距離”よりも”距離感”といったほうがしっくりくるように思います。それは、作中の登場人物たちが常に何かしらとの”距離を感じている”から。人物たちが意識的に”距離を感じる”ということは、それを読む私たちは必然的に「”距離を感じる”ことを感じる」という体験をすることになる。そういう入れ子構造が存在する以上は、読み手が感じるのはまさしく”距離感”ということになると思います(だから、絲山秋子さんは”距離”そのものを描くことに成功していると思います)。だから、長嶋有さんの書き方だと、”距離”へは絶対に到達しないんじゃないかと。とはいえ、その絶対に到達しない”距離感”こそが、長嶋作品のいちばんの魅力だと思います。

11/01/2008

10月まとめ

10月はあまり自由な時間を取れなかったのだけど、わりと当たりが多くて満足度は高かったかも。

そのなかでも、森下裕美の新作「夜、海へ還るバス」は今月いちばんの収穫。「少年アシベ」も実は人間描写が巧みな作品だったけど、今作は本当に激しい情念のドラマになってます。単純化して言ってしまえば主人公の自分探しの物語なのだけど、そうしてたどり着いた先はとても深い。”わたし”という存在は、男/女という性的存在であり、息子/娘という家族的存在であり、そして”わたし”自身であるという再帰的・自己言及的な存在であるんだなあ、と気付きます。極論すれば、わたしはわたし、という開き直りになりかねないのだけど、一歩立ち止まればじゃあそのわたしは何なの?という問うほかなくなってまた自分探しに戻ってしまう。それでも決して同じところをまわってばかりいるわけじゃなく螺旋状にゆっくりと次の段階へ移っていく、と思いたい。その循環を螺旋へとシフトさせることこそ、”けりを付ける”ことだったりするのかもしれない。と、あれこれ考えてしまいました。

それにしても数有る本やコミックの中から、こういう作品に出会えるのは本当に幸運なことだなあと。ストーリーも絵柄も好みが別れそうですが、何かしらどこかしら感じるものがあると思うので読んでみてほしい一冊です。


【10月のまとめ】

勉強
○中小企業診断士 16.25H
○システム監査技術者 7.75H


会計操作—その実態と識別法、株価への影響 須田一幸ほか  ……3
資本主義は嫌いですか—それでもマネーは世界を動かす 竹森俊平  ……5
ばかもの 絲山秋子  ……5
悩む力 姜尚中  ……3
サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 春山昇華  ……3
勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践 勝間和代  ……3
監査難民 種村大基  ……5
ITデューデリジェンスの実務―M&Aを成功に導く フューチャーシステムコンサルティング  ……4
ウィトゲンシュタイン入門 永井均  ……3
予告された殺人の記録 ガルシア・マルケス  ……4


コミック
ゆうきまさみのもっとはてしない物語  ……3
夜、海へ還るバス 森下裕美  ……5


映画
ブレードランナー ファイナル・カット  ……4
犬神家の一族  ……3
2046   ……4


展覧会
国立西洋美術館「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」  ……5
上野の森美術館「Art of out time」  ……2
東京国立博物館「大琳派展−継承と変奏−」  ……5
夕学五十講「姜尚中 漱石に学ぶ“悩む"力」  ……4