★★★★☆
シンプルな基礎付けから、マクロ経済学の体系を説明しているのがとてもすばらしい。経済学の教科書は、いろいろな条件を設定しているわりにどうしてそういう条件が必要なのかという説明が少なくてしっくりこないものが多い。それに対して、この教科書では、そもそも設定される条件が必要最低限に押さえられている上に、その条件の背景をとても詳しく説明してくれている。
そうして押さえたシンプルな基礎付けを出発点としてマクロの体系が説明されているから、全体の説明が一貫していて複雑な経済の動きがとてもすっきりとした形でイメージできる。このシンプルさはマクロ経済学を学ぶうえではとても効果的なことだと思う。
そして、新しい概念や考え方が紹介されるたびに、対応する実例も紹介してくれている。このおかげで、概念が現実の経済でどう適用されるのかがよくわかるし、概念を理解するのに手助けになる。実例以外にも、理解を助けるさまざまな説明が施されている。そのため600ページ超の大部な教科書になっているけれど、自分なりに取捨選択すれば読み切ることはそれほど苦ではないと思う。
それに、アカデミックエンターテインメントというだけあって、読んでいて単純におもしろい。こんなふうに現実の経済が動いているんだ、という驚きながら読みすすめられる。だから、ただ学部生の入門というだけでなく、社会人が経済を理解するための入門にもとてもいいと思う。
【メモ】
経済学の9つの基本的な原理
(個人の意思決定に関わる原理)
1.資源は稀少だ
2.機械費用:何かの本当の費用はそれを得るためにあなたがあきらめなければならないもののことだ
3.「どれだけか」は限界での意思決定
4.人々は自分の暮らしを良くする機会を見逃さない
(個人の決定が相互に作用する仕方に関わる原理)
5.取引は利益をもたらす
6.市場は均衡に向かう
7.社会的目標を達成するため、資源はできるだけ効率的に用いられなければならない
8.市場は通常は効率を達成する
9.四条が効率性を達成しない場合には、政府の介入が社会的構成を高める可能性がある
現代マクロ経済学の合意
1.拡張的金融政策は不況の克服に有効か 特別な状況をのぞきYES
2.財政政策は不況の克服に有効か YES
3.金融ないし財政政策は長期の失業削減に有効か NO
4.財政政策は裁量的に運用すべきものか 特別の状況をのぞきNO
5.金融政策は裁量的に運用すべきものか 論争中
5/08/2009
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
0 comments:
Post a Comment