★★★★☆
ゲーム理論をベースにミクロ経済学の入門教科書を構築しようという意欲的な構成の教科書になっている。普通のミクロの教科書であれば、完全競争下での価格理論から始まって、独占、寡占ときて、ようやくゲーム理論が紹介される。これを完全にひっくり返して、ゲーム理論で寡占や独占を考察してから、一般的な価格理論に向かおうというのがこの教科書。
あまりに一般的なミクロの教科書とは違っていて多少の戸惑いはあったけれど、読み進めてみれば確かにこのアプローチはありかも、と思える。
価格理論で最初に出てくる完全競争下のプライステイカーという考え方は、あまりにも現実の状況からかけ離れているように思えるから、初めてミクロ経済学を学ぶ人にはイメージがしにくい。それよりは、お互いの出方を考慮しながら行動を決定するゲーム理論の方が取っ付きやすいかもしれない。それに、ゲーム理論はいまではほとんどミクロ経済学の必須概念になっている割に、価格理論に時間をかけすぎてゲーム理論はおまけ程度で教えている教科書や授業が少なくない。それならいっそ、ゲーム理論から教えてしまうというやり方も悪くないと思う。
もちろん、従来型の価格理論を始めにやってゲーム理論に移る教科書もやはり一定の意義があるとし、その方が理解しやすい部分もある。だから、従来型の教科書と併用して補完しながら理解していくのが賢い使い方のように思う。
5/09/2009
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
0 comments:
Post a Comment