5/14/2009

【本】組織の経済学入門—新制度派経済学アプローチ 菊澤研宗

★★★★★

ミルグロム&ロバーツの「組織の経済学」の予習として読む。

組織間や組織内部での行動を経済学的に分析する新制度学派の入門テキスト。取引コスト理論、プリンシパル=エージェント理論、所有権理論の3つの柱をそれぞれしっかり説明しているし、進化経済学、行動経済学、ゲーム理論などのアプローチも簡単に紹介されていて、これ一冊で組織の経済学のだいたいの概観はつかめるんじゃないかと思う。

数式をほとんど使わないかわりに文章による説明がていねいで、とてもわかりやすい。大事な前提条件は何度も説明してくれるので、前のページに戻って条件を確認して、ということをしなくてもすらすら読んでいける(少ししつこい気もするけれど)。

そしてなにより、この分野はやっぱりとても面白い。一般的な経済学ではブラックボックスとして扱われてしまって、一方の経営学ではきちんとしたモデル化がされず記述的なままの”組織”というものが、こんなに首尾一貫したモデルとして分析できるというのは本当に興味深い。

ただ、入門というだけあって、読み進んでいくうちに疑問が出てくるし、その疑問に答えてくれない部分も多い。そのあたりは、もっと深く勉強しないと行けないということなんだろう。

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